うちの娘おかめ納豆に似てる。

アラサー主婦による育児記録や結婚生活やなんでもないこと、購入おもちゃや趣味などを書き綴るブログ。

1年前の手記。

今日は夫の両親と一緒に子供達を連れこどもの国へと出かけてきた。
そこでキュービックランドという遊具【写真参考】に出会った。

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キュービックランドとは積み上げられた複数のキュービックの中を、縦、横、上、下に進む立体迷路で、知力と体力をつかって楽しみながら遊ぶことができるといういかにも子供ウケしそうな遊具である。

この見るからに楽しげな遊具に案の定娘は吸い込まれていくも、
対象年齢が6歳から12歳向けの高度な遊具のため、最近やっと滑り台を滑れるようになったばかりの2歳の娘は1人で遊ぶには少し怖いようで、私の手を引き一緒に挑戦しようと誘うので息子を母に押し付けて同行することに。

正直入りたくなかった。

なぜなら私は閉所恐怖症。
善光寺のお戒壇めぐりや、映画で敵のアジトに通気口から進入するシーンではいつも発狂寸前なのだ。

しかしキラキラと目を輝かせる娘の笑顔が能面に変わるのを恐れ、歯ぎしりしつつ挑戦することにしたのだ。

メッシュで透けてるしいけるだろうと。
最短ルートでいけばいいと。

結果入って8秒で後悔の嵐。

ただでさえ狭いキューブの内部は日曜日を謳歌する子供達でひしめきあい、娘はその合間を縫うようにするすると先へ進んでいく。
私の向かいたい方とは逆へ逆へ。

結果私が最も恐れているルートへたどり着いてしまったのである。
目の前にキューブよりさらに狭い長い円柱【写真参考】が現れた。

引き返そうにも芋洗い状態のキューブでは方向転換さえもままならず、流されるまま円柱を通り抜ける羽目になった。
しゃがんで進んでいく娘の背中をほふく前進で追う。
体が閉塞感で覆われ、私を取り巻く空気さえも締め付けてくるような錯覚に陥る。襲い来る恐怖に叫びたくなるのをかろうじて残った理性で必死に押さえつけながら進んだ。

あと半分、丁度その時だった。
前方からこちらに向かって体格の良い少年達が勢いよく進んでくる。
子供同士なら問題なくすれ違うことができるのであろう。
しかしこちらは体重の戻りきっていない産後2か月のアラサーである。

このまま鉢合わせしてしまったら間違いなく身動きが取れなくなる。
うまく呼吸ができず早まる動悸。
「・・ごめぇん!おばちゃん先に通してえぇ!!!」
パニック寸前になりながら張り上げた声は無情にも裏返る。

高圧的にならないよう作った笑顔も筋肉が強張りうまく笑えず奇妙に引き攣り、目を合わせた先頭の少年の表情には恐怖が滲んでいた。
子供用遊具で脂汗にまみれ目を血走らせた挙動不審なおばさんと遭遇したのだから無理もない。下手したら事案である。

「・・・ど、どうぞ」
少年達はおずおずと後ずさりを始めるや否や、彼らを押し出す勢いで円柱から這い出る。何とも大人気ないが、危機的精神状況だったことをご理解いただきたい。

円柱を抜け、無事ゴールである滑り台を娘と一緒に滑り降りる。
背中に刺さる少年たちの視線などどうでもいい。
ただ首筋を撫でる秋の風が心地よかった。